人生山あり谷あり

 先日、テレビに、今話題の『佐賀のがばいばあちゃん』の孫、島田洋七さんが出ていました。がばいばあちゃんは、「人生山あり谷ありというけれど、谷にはきれいな川が流れている。たまには、谷に下りて、きれいな水で体を洗って、それから山に登ればいい。山の頂上は住むところではない。一回頂上に上ったら、また下りて来ればいい。」と言っていたそうです。そう考えると苦しい時も乗り越えられるのだと思います。

 さて、昨日、第1回目の校内の長なわ大会がありました。「クラスの子にいい結果を出してほしい。」という担任の気持ちから約2週間前から例年のように休み時間に練習を始めました。でも担任の気持ちはなかなか全員の子には伝わらず、子どもたちが集中して練習に取り組むことがむずかしい日々を送っていました。

 長なわを上手に跳ぶ工夫を何度も繰り返し教え、ようやく練習が軌道に乗り、調子が出てきたと思ったので、先日、5分間で何回跳べるか数えてみました。残念ながら、結果は惨憺たるものでした。前日に計った記録もやっと98回。子どもたちは、初めてくやしさを表情に表していました。本番の前にもう一度がんばって練習し、明日こそいい結果を出そうという気持ちをみんなで確認し、その日は帰りました。
大会の当日校庭に行ってみると、みんな集まって来て、最終練習が始まりました。めずらしく校庭に出るのが遅れる子がいないくらい子どもたちの意欲は高まっていました。子どもたちの跳ぶ様子も絶好調。100回は軽く越し、200回に迫る勢いを感じました。子どもたちの力のすばらしさに感動しながら、わたしも縄を回す手と子どもたちを激励する声に力が入りました。

 そして、始まった第一回目の長なわ大会。今日の調子だと目標は200回。ところが、競技開始のホィッスルが鳴ると子どもたちの様子は、一変しました。勢いがなくなり、縄の中に入るのに戸惑う子や入っても引っかかってしまう子が続出。一度狂いだした歯車はもとにもどらなくなりました。結果は、全校の中で最下位の92回。後から考えると、子どもたちは、練習で力を使い果たし、本番開始とともに集中力がなくなってしまったのでした。明らかに担任の采配のミスです。

 子どもたちもがっかりしていましたが、すぐに第2回目の大会に向けて再び立ち上がろうとしています。そこが1年1組のいいところ。放課後、いっしょに縄を回して下さった直美先生と1回目の長なわ大会を振り返り、子どもたちの朝の練習の意欲と勢いのすばらしさをたたえ、二人でくやしがっていました。子どもたちのその力を第2回目に発揮できるよう、また応援していきたいと思います。

 がばいばあちゃんの言葉は、いつもわたしたちを力づけてくれます。『人生山あり、谷あり』。これからも、1年生としての生活はあと1ヶ月になりましたが、常に頂上を目指す気持ちを持ち続け、子どもたちと力強くがんばっていきたいと思います。あと少しですが応援よろしくお願いします。

 そう言えば、先日の新一年生の体験入学では、幼稚園、保育園の子どもたちが参観する中、1年1組の子はすごく集中してがんばっていました。かわいい後輩たちにも親切にして、気を遣いながら体育館に手をつないで連れて行ってあげました。でも、その直後、体育館で練習したはずのあいさつなどができずにぼうっとする1年1組の姿がありました。1年1組は、がんばって頂上に登ったあと、谷底に落ちてしまうことが多いといことがやっと分かってきました。これから気をつけさせたいと思います。