糸車の音がきこえる
1年生を迎える会
お兄さんお姉さんに1年生を迎える会を開いてもらいました。
たくさんのプレゼントをもらって、うれしかったです。6年生の背中はあったかかったです。
遠足
春の草花に囲まれながら、みんなで歩いていきました。
児童センターのプラネタリウム、とてもきれいでした。公園で食べたお弁当、おいしかったです。
プール開き
初めての学校のプールは、とても大きかったです。
たからさがしは、とてもたのしかったです。
たなばた集会
みんなでねがいごとを書いて、体育館いっぱいにかざりました。
友だちがたくさんできますように。勉強をいっぱいおぼえられますように。
水曜日の朝、『1年生の思い出』の音楽の順番を決めていました。1組の言葉を読みながらアンドレ・ギャニオンの『めぐり逢い』をかけていると感動のあまり大粒の涙が…。最初から泣いている場合ではないので、この曲は最後にして、出だしは『パッヘルベルのカノン』で始めることにしました。
翌日に迫った授業参観。練習を始めると言葉が長すぎて、間に合いそうもありません。そこで、短くして練習をし直しました。何度も何度も練習し、全部のグループが合格して、帰りました。
授業参観当日は、教室で『たぬきの糸車』と『1年生の思い出』を一度だけ練習して、4時間目の全体のリハーサルに向かいました。初めて見る1年間の思い出の映像。子どもたちは、「心の中で言いなさい。」と叱られながらも、「なつかしい。なつかしい。」とささやいていました。一通り、練習は終わりましたが、『1年生の思い出』の自分のパートが終わった後、子どもたちが動かないで、座っていられるかがとても心配でした。
「みんなが座っているところは、ひなだんというんだよ。だから、みんなは、おひなさま。おひなさまは自分の言葉が言い終わってもぜったい動きません。」
子どもたちにそう言い聞かせ、体育館へ向かいました。
1年生の最後の授業参観の会場は、お父さんやお母さんの子どもたちの期待でいっぱいでした。そして、その期待に応えようとする子どもたちの緊張した顔。たくさんの人の前で発表する喜びを体いっぱいに表現する子もいました。
『たぬきの糸車』。始まると同時に子どもたちの動きは、ぴたりと止まりました。最初の言葉は、ぴたりと決まり、次々と進んで行きました。本番になっても、あせることなく、練習のペースで進んで行きました。
♪春が来た来た春が来た♪
いつも元気が出る最後の曲が終わり、見事に決めてくれました。20分足らずの発表で、ほとんど体を動かす子はいませんでした。本番は、100点です。
引き続き始まった『1年生の思い出』。練習したとおり、声もすわり方もそろって1組は最初に終わりました。そして、最大の課題の待ち時間。何人かは緊張の糸が切れてしゃべりっぱなしでしたが、ほとんどの子は、約17分間、身動きもしないで座っていられました。最初から最後までがまんの約40分間。こんな1年生は見たことがありませんでした。
一人一人の成長が見られた授業参観。子どもたちは、力いっぱいがんばったと思います。
たくさん参加していただいた、学年懇談会は、保護者の方々の拍手が温かくて、ありがたかったです。
授業参観も学年懇談会も終わってホッとした放課後、誰もいなくなった教室に行きました。ふと気がつくと、窓辺に、ゴミ箱に捨てたはずの印刷が失敗した担任の『たぬきの糸車』の版画がおいてありました。
「だれかが拾ってくれたんだ。」
そう思うと、心が温かくなりました。と同時に、子どもたちのやさしい糸車の音がきこえました。
キーカラカラ キーカラカラ
キークルクル キークルクク
『たぬきの糸車』の版画を拾って下さった方、ありがとうございました。