癒される瞬間(とき)1

 昨日の朝、職員室では連日報道されている『いじめ問題』が話題になりました。朝からとても暗い気分になりましたが、「少しでもよいことを見つけ、感動しながら明るく生活していこう。」ということを再び心に決め、教室に向かいました。

 教室に行くと、いつもの1年1組の子どもたちの明るい笑顔とあいさつでいっぱいでした。
「これから朝の会を始めます。起立。今日も元気にがんばりましょう。」
みんなで明るくあいさつをし、いつものように『もみじ』を歌いました。

♪秋の夕日に照る山紅葉 濃いも薄いも数ある中に 松をいろどる楓や蔦は 山のふもとの裾模様♪

 昨日の子どもたちの声は、今までで最も美しく、心が一つになり、まとまっていました。朝のいやな気分は吹っ飛ぶような優しい歌声に心は和み、気持ちのいい一日にスタートを切ることができました。たぶん子どもたち本人が一番充実感を味わっていたのだと思います。

 少し落ち着いた生活が送れそうな10月の後半。子どもたちのゆるんでいく気持ちを引き締めながら、子どもたちの悪いところが目につき、イライラしたり、怒ったりすることが減らない日々を送っていましたが、「よいところに目を向けよう」と思うと、心が癒される瞬間(とき)が、たくさんありました。

 10月20日(金)には、音楽教室がありました。『阿達彰義&ラ・ディヴィシオン・デル・スール』というラテン音楽を演奏するグループがやってきました。

 ノリのいいサンバのリズム『ブラジル』で始まった音楽教室中南米の明るい雰囲気でわたしたちを包んでくれました。そして、雄大なペルーの大空をコンドルが優雅に舞う姿を表す『コンドルは飛んでいく』、アンデス地方フォルクローレ花祭り』、キューバの音楽『エルクンバンチェロ』へと続きます。ラテン楽器の紹介の後は、『おもちゃのチャチャチャ』や『帰りの会のサンバ』をみんなで元気よく歌いました。しっとりとした『星に願いを』を聞いた後、最後の曲は、ラテンアメリカの踊りの音楽の一つ“マンボ”『マンボNo.5』。そして、アンコールはメキシコの代表曲『ラ・バンバ』。このとき、体育館の熱気は最高潮に……。1年生のノリのいい踊りはすばらしかったです。

 いつも「きちんとしなさい。」「動いてはいけません。」と注意されているのに、その日だけは、「体を動かして、元気に踊って。」と言われ、心も体もポッカポッカになりました。こうして、あっという間に楽しい時間は過ぎました。