こころ

 7月7日の朝の行事は、たなばた集会でした。前日に体育館の床に置かれたロープにかざりつけにいきました。6年生がやさしくかざりつけを手伝ってくれました。とてもありがたかったです。当日体育館に行くと、頭の上に南北にたなばたかざりや全校の子どもたちのねがいごとが書かれた短冊が飾られていました。それは、天の川のように華やかで美しかったです。たなばた集会は、集会委員会のたなばたの劇から始まりました。5,6年の集会委員さんが、楽しくアレンジした劇をいっしょうけんめい見せてくれました。各学年の代表のねがいごとの発表もあり、とても幸せな気持ちになりました。
 みんなのねがいごとをかなえたいという「こころ」は、とても美しかったです。

 その日の2時間目。生活の時間は、1年生全員『2年生とあそぼう』というイベントに招待してもらいました。校庭に各クラス6つの班に分かれ、2年生と向き合って並びました。2年生は、1年生を楽しませてくれるために、いっしょうけんめい遊びを考えてくれました。ながなわ、だるまさんがころんだ、へびじゃんけん、ドッジボールなど、班ごとに工夫してくれました。そして、1年生にとても親切に接してくれました。1年生も2年生といっしょにあそんでもらってとても楽しそうでした。最後に、2年生が折り紙で作った首飾りを1年生のひとりひとりの首にかけてくれました。その首飾りは、とてもじょうずにできていて、心がこもっていました。
 1年生を楽しませようとしてくれる2年生の「こころ」は、とてもやさしかったです。

 休みが明け、7月10日は朝から雨でした。でも、2時間目が終わるころには、空は晴れてきて、20分休みには少し地面がぬかっていましたが、校庭で遊ぶことができるようになりました。算数の問題を全部仕上げた1年1組の子どもたちは、くつの底は少しよごれてしまったけれど、とてもうれしそうに校庭で遊んできました。
 月曜日は4時間授業で、そうじをし、モジュールの英会話活動をしたあと、いつものように玄関の前に全部の1年生がならんで、門ごとに帰っていきました。子どもたちを北門で見送って、職員室にもどると、上ぐつの落し物がとどいていたので、わたしは、その上ぐつをげた箱においておこうと思って、玄関に向かいました。すると、そこには信じられない光景が……。
 1年1組のげた箱のすぐ下の床の上が、どろだらけになっているのです。6年生がきれいに玄関をそうじしてくれた後、まだ1時間もたっていないのに、1年1組のところだけものすごいきたなさ。わたしは、今まで見たことのない床のよごれに驚きながら、とても悲しい気持ちになりました。昼休みは外に遊びに行かなかったので、たぶん帰るときに1年1組のだれかが、床の上に下ぐつをおき、そこで上ぐつとはきかえたのでしょう。次に玄関に来た子は、きたない床の上でくつをはきかえるのはいやなので、また床の上に下ぐつをおき、はきかえ、次から次へと同じことがくりかえされ、6年生のそうじ中の苦労は、1年1組の子どもたちによって水のあわとなってしまったのです。本当に申し訳ないです。
 人のそうじの苦労を平気で土足でふみにじる「こころ」は、とてもみにくいと思いました。そんなみにくいこころ。今日、玄関でのくつのはき方をもう一度初めから練習し、人間としてのこころをもう一度みがいていこうと思います。

 きのうは、国語や算数の授業で、たくさんのプリントやテストをしました。4月から放課後のプリントのまるつけは、1年担任の習慣になっていますが、学期末をむかえた7月は、特に多くなっています。きのうも夜の7時を過ぎてひととおりテストとプリントのまるつけが終わり、最後に土日の宿題の『2ねんせいとあそぼう』の絵日記を見ました。それは、2年生のこころをこめて遊んでもらった上に、手作りのプレゼントをもらったお礼としての代表の絵日記を選ぼうと思ったからです。でも、クラスの子どもたちの絵日記を見て、とても残念に思いました。せいいっぱい書いてきたと思える絵日記は、クラスで数枚しかなかったのです。絵がとても簡単だったり、文字が乱雑だったり、文章が数行しか書かれていなかったり……。1年1組の子どもたちの力は、こんなものではないはずと思えるものがたくさんありました。そこには、「宿題は、なんでもやってだせばいい。」とか「書いてあればいい。」とか、宿題を大切に思わない気持ちが表れているようでとてもがっかりしました。そして、担任として力いっぱいがんばろうとする気持ちを子どもたちのこころに育てられなかったやるせなさを胸に、その日の仕事は、そこで取りやめて、学校を後にしました。
 字を書くことやべんきょうはめんどうくさいという「こころ」は、「生きている間はずっと勉強」である人間としてとてもさびしいと思いました。「いっしょうけんめい勉強することの喜び」「力いっぱい仕上げることの楽しさ」をもう一度こころの中に育てるために、『2ねんせいとあそぼう』の絵日記を今日書き直したいと思います。1年生のためにいっしょうけんめいよういしてくれた2年生に『ありがとう』の気持ちをとどけられるように……。

 人間のこころ。持ち方によって、生活や人生が変わってしまいます。これからも、子どもたちの「こころ」を育てられるよう、おうちの方と連絡を取り合っていきたいと思います。ご支援のほどよろしくお願いします。