どろんこハリー

 今日は、『どろんこハリー』(ジーン・ジオン, わたなべ しげお, マーガレット・ブロイ・グレアム/福音館書店)という絵本の読み聞かせをしました。

 「ハリーはくろいぶちのあるしろいいぬ。おふろがだいきらいです」。そんな彼をおふろにいれるかどうか、家族のみんなが話し合っているすきに、当のハリーは裏庭におふろブラシを隠し、おうちを飛び出してしまいます。道路で遊び、線路ではしゃぎ、ほかの犬のお友だちと鬼ごっこをしているあいだに、ハリーはどんどんまっ黒に。きわめつけは、石炭シュートから一気に滑りおちたとき。なんと、ハリーは「しろいぶちのあるくろいいぬ」に変身してしまったのです。

 遊び疲れて、おうちに着いたハリー。でも、家族の誰も彼をハリーだとわかってくれません。どうしよう、お得意の芸もすべて見せたのに…。けれども、ハリーはいいことを思いつく。大奮闘の末、さっき隠したおふろブラシを掘り出して、「ぼくをおふろにいれて」とおねだりしたのでした…。

 泥んこ遊びが大好きで、ちょうど親にさからいたい年ごろ、それでもやっぱり家族といるときが一番。そんなハリーは、この本を夢中になって読んでいる子どもたちの姿とそっくりそのまま重なります。子どもたちは、ハリーになりきり、読み終わったと、ホッとしたような笑顔を見せてくれます。

どろんこハリー (世界傑作絵本シリーズ)

どろんこハリー (世界傑作絵本シリーズ)