戦後60年目の夏休み

 昨日は、2年4組の子どもたちが全員元気に登校してきて、元気な顔を見られたので、とてもうれしかったです。そして、新しい友だちも加わりました。Jさん。彼は、6月にフィリピンから日本に来たばかりの男の子です。昨日は、まだよく話せない日本語で、みんなの前で自己紹介をしてくれました。そして、連絡帳には、まだ教わっていない日本の文字をまねをしながら書いていました。また、初めての給食では、みんなと楽しく過ごし、給食後は、進んで給食台を片づけるのを手伝っていました。そして、そうじでは、一生懸命ほうきではく仕事をしていました。2年4組の子どもたちも声をかけたりしていたので、これからJさんと少しずつ仲良くなっていくことでしょう。

 短縮4時間で子どもたちが帰った放課後。みんなが一生懸命取り組んだ夏休みの宿題の丸つけをしました。日記や絵日記にはたくさんの思い出がつまっていて、『夏は友だち』や漢字練習帳には、夏休みにきちんと勉強してきた足あとが残されていました。そして、玄関ホールの夏休み作品展には、数々のすばらしい図工や習字の作品が展示されています。どの子も充実した夏休みを過ごしてきたことがわかり、とてもうれしく思いました。

 さて、話は変わりますが、夏休み中のある日、校長先生が雑談の中で、「来年度から先生はみんな戦後生まれになる。」とおっしゃいました。60年前戦争が終わった年に生まれた先生方は、来年の春退職してしまうからです。わたしは、その言葉を聞き、初めて『戦後60年目の夏休み』ということを強く意識し、今、時代の節目にきていることを感じました。今振り返ると『戦後60年目の夏休み』にいろいろ考えさせられることがありました。

 8月の初旬に参加した「キャリア教育」の講演会。光高校や佐世保明徳義塾の事件の話題から始まって、引きこもりや不登校、フリーターやニートの問題まで……。

 誇りを持って生き、勤労の喜びを知り、子どもたちに楽しいと思える仕事につけるように指導していくことの大切さを話していました。そのためには、携帯やテレビゲームやインターネットなどのバーチャルな世界の情報の海をじょうずに泳ぐことと現実の世界で多様な集団の中でいろいろな人と出会い、泣いたり笑ったりすることが両方必要だということだそうです。子どもたちが学校などの集団の中で勉強することや夢を持って生きることのすばらしさを伝えていくことの大切さを強く感じました。
 8月の後半にはライフプランセミナーに参加してきました。その中でわたしたちの年金のことをくわしく教わりました。

 昭和36年4月2日以降に生まれた人から完全に65歳から年金が支給されることになっています。そして、年金の掛金は今年から2020年まで毎年上がり続けます。人によってちがいますが、この15年間で20万円近く掛金が上がるそうです。そして、年金受給者が増え、年金を支える若い人が減ると物価が上昇しても、年金支給額は下がるよう、法律で決まっているそうです。年金やライフプランの話を聞いて、厳しい状況の中、自分の人生をどう生きたいのかを考え、これからどうするかを自分で決めなければならないことを切実に思いました。そのために、学校では子どもたちにしっかり勉強させ、考える力を身につけさせることが大事なのだと思います。

 夏休みも終わりに近づく8月29日には、『広島・昭和20年8月6日』というドラマを見ました。
広島、平和記念公園。かつてその辺りに民家や商店が建ち並んでいた時代。そこで、両親を失くした4人の姉弟が助け合って笑い合って仲良く暮らしていた時代。そんな60年前の夏の話でした。

 3人の姉妹が、暗い戦争中でもそれぞれ夢や希望を持って歩んでいるとき、突然の原爆投下。3年前に志のぶ(松たか子)に結婚を申し込んでいた重松(国分太一)が戻ってきた時は、すでに遅く、志のぶはもうそこにはいませんでした。黒い雨に打たれながら、家の前の石の上に残った志のぶの影を泣きながらさする重松の姿を見て、悲しみがこみ上げてきました。そして、二度と同じ悲劇を繰り返してはいけないと強く心に思いました。

 『戦後60年目の夏休み』。最後は、『24時間テレビ』に登場した困難を乗り越え、力強く生き抜いている人々に力をもらった夏休みでした。これからは、戦後生まれのわたしたちが中心になる時代です。わたしたちは、戦前・戦中生まれの人々からさまざまな教訓を受け継ぎ、それらを未来を担う子どもたちに伝え、平和で明るく安心して老後をむかえられる社会を自分たちで作っていかなくてはならないと思います。そのためには、同時多発テロの日の9月11日に行われ、わたしたちの未来を左右する衆議院議員選挙では、よく考えて投票したいと思います。

 といろいろまとまりのないことを書きましたが、現実は、仕事に追われる毎日です。その中で子どもたちといっしょに一生懸命楽しい毎日を送り、悔いのない2学期にしたいと思います。これからも、保護者の方々のご支援ご協力のほどよろしくお願いします。