「育てる心」が見えてくる

 先日の学級通信の『「育てる心」が見えてくる』を読んで、あるお母さんが体験談を書いてきてくれました。たいへんよいお話でしたので、ご紹介します。


 “「育てる心」が見えてくる”を読んで、若かりし頃の自分を思い出しました。
 わたしは、若かりし頃、コンピュータの開発の仕事をしていました。
 ある日、なんとしてもコンピュータが動いてくれません。何度も何度も自分のプログラムを見直しても、バグ(あやまり)が見つかりません。何日も残業がつづき、最終的にわたしは、コンピュータの本体のバグだと決めつけて、メーカーに問い合わせようとした時、上司が
「コンピュータは99.999%まちがいません。」
と言ったのです。わたしは、少し頭を冷やしてもう一度自分のプログラムを見直しました。結果、わたしのミスでした。おかげでわたしは大はじをかかずにすみました。実はその上司、きびしくて、口うるさくて、わたしは大きらいな上司でした。いつもしかられていました。でもその人がその時
「何か不都合なことが起きた時、自分には問題はないか、自分をかえりみる力と知恵をつけなさい。」
と言ってくれたのが深く心にひびきました。

 コンピュータは99.999%人間の指示通りに動きます。人間がミスをすれば、動いてくれません。ぜったい・・・・・・。
他人は自分を写す鏡といいますが、人間関係においても同じことがいえるなと感じることがよくあります。自分の態度によってはうまくいかなくなる人間関係、そんな時は、上司の言葉を思い出して自分をいましめなければと思うのです。しかる上司のその心の奥に「育てる心」が見つけることができて本当によかったと思います。

 わたしたち人間は、コンピュータよりもまちがえることが多いです。まちがえながら、それを反省し、成長していけるのが人間のいいところだと思います。だから、このお話のように、謙虚な気持ちで人のアドバイスに耳をかたむけていけば、人間として日々成長していけるのだと思います。お互いにがんばりましょう。