誠さんの話

 3年で行った『課外授業・ようこそ先輩 −高校生編−』の授業が好評だったので、6年生でも授業をやってもらうことになりました。今日は、誠さんの6年の授業で話された話の内容を紹介します。

 中学では、中一のときは、平均点くらいの成績でした。でも、中2の夏休みに勉強もせず、遊びまくってしまいました。夏休みの宿題も答えを見て、それを写して提出しました。そしたら、なんと期初めテストで150人中120位ぐらいまで落ちてしまいました。かなりあせったけれど、こんなんでも高校に行けるなとたかをくくっていて、全然余裕だと思っていたら、三者面談で先生に「このままじゃ高校に行けません。」と言われました。そして、自分は一番底に来たとやっと思いました。そして、勉強をやらなくてはいけないと思ったのが中2の2学期の終わりでした。「やべえな。これは。」と思って、中3からひたすら勉強し始めました。夏休みは毎日塾に行って、分らない問題は先生にすぐに聞いて、ひたすら勉強しました。そして、なんとか東高に入学できました。自分はもっと上の高校に行きたかったけれど、勉強をしなかったから、行けませんでした。

 東高に入って、「もう勉強でくやしい思いをしたくない。部活でもくやしい思いをしたくない。」と思いました。まず部活は、陸上部に入って、ぜったい全国に出て、新聞のスポーツ欄に大きな写真に載って、中学のときに試合に出してもらえなかったサッカー部の顧問の先生を見返してやることが、第1の目標でした。第2の目標は、高校入試のときに前期選抜で入れなかったので、推薦で大学に入ろうと思いました。そのためには、授業、中間、期末テストをがんばろうと思って、模試よりも学校の中の勉強さえできればいいと、自分の中で決めて、勉強をやろうと思い、高校生活をスタートさせました。

 4月から陸上部に入ったけれど、4月は、5月の高校総体までの毎週土日が大会でした。第1・第3土曜日に授業があったころで、公欠で大会に出場しました。だから、授業は遅れるのでたいへんでした。しかも県の高校総体の次の日から中間テスト。そして、木曜日から日曜日まで高校総体で3日間公欠で、「やべえ。」と思ったら、案の定1学期の通知表は悪かったです。240人中75位。

 冬の暗くなるのが早いときでも陸上部は練習がありました。7時半に家に帰って、飯を食って、風呂に入って、テレビを見ていると10時をすぎてしまい、その後は疲れてしまい、最初のうちは勉強できませんでした。でも、中学のときにくやしい思いをしていたから、「勉強をしなくては。」という気持ちだけで、体力的にはいっぱいいっぱいだったけれど、気力で勉強しました。その結果が高2の時やっと出て、文系120人中4位になり、すごくうれしかったです。人間て結果が出ると、すごくうれしいもので、また次にがんばればもっと結果がでるのではないかなと思います。みんなも少しでも結果が出れば、次にがんばろう、次にがんばろうとなれると思います。

 そして、高3の夏に進路が決定して、12月1日に大学に行くことを決めました。大学は、法律(憲法など)をくわしく勉強する法学部に行きます。自分の将来の夢は、先生か弁護士になることです。そのためには今以上勉強しなくてはならないと思います。大学で第一にがんばりたいことは勉強だと思います。大学が推薦で決まったことにより、今、今年から始まった「ようこそ先輩」の一期生としてA小に来ています。こうして授業ができて、ありがたく思っています。

 最後にみなさんに4つほどアドバイスをしたいと思います。

 1つ目として、みなさんに『くやしさ』という気持ちを持ってもらいたいと思います。今の現状の結果に満足してしまうのではなく、もっとはるか上を見て、「自分はまだまだ。」と自分に言い聞かせて、やったほうがいいと思います。負けたら「ちくしょう。」と思うこと。1番になったときでも満足しないほうがいいと思います。自分はサッカー部のときに大会に出られなくてすごくくやしくて、陸上部に入り、駅伝、マラソン大会でがんばりました。人間だれでもくやしさを持って「よし次はがんばろう。」と思ったら、次には絶対結果が出ます。自分も毎回大会で目標を持って出場し、負けたらくやしいと思い、タイムが出たときは喜んで、だけど満足せず、上を見て、がんばってきました。だから、みなさんも『くやしさ』を持ってください。

 2つ目として、「やればできる」という気持ちです。これは、中1のときに先生の口ぐせだったのですが、いい言葉だと思います。「やればできる」ということは、イコール「努力しよう」ということだと思います。努力すれば何でもできるということです。自分も関東大会に行けると思っていなかったけれど、全国を目指していたので、関東に4回出場できました。練習をすれば、「関東へ行ける」「全国へ行ける」と実感しました。勉強でも、同じことだと思います。「次のテストでぜったい100点を取るんだ。」と思うようにしながら勉強していけば、いい点が取れると思います。やはり気持ち次第でなんでも変わると思います。

 3つ目は、『夢を持つ』ということです。自分は「弁護士や先生の職業につきたい」と思っています。では、そのためには何をしなければいけないかと考えると、弁護士も先生も試験があって、それがすごくむずかしいわけで、そのむずかしい試験に受かるためには、今勉強をしなくていけないことがわかります。小学生は今なぜ勉強しているか分らない子が多いと思うけれど、自分はその勉強は将来につながる勉強なんだということが、今やっと分りました。だから、今やっていることは全然むだではありません。とても重要なことです。特に中1から全く勉強が変わってきます。その中で、一からのスタートになると思うけれど、その一からのスタートを出おくれることなく、みんな先生の話をよく聞いて、予習・復習をしてほしいと思います。特に大切なのは復習です。「今日、先生は何を言っていたか」ノートを見て思い出し、英語は単語を書いたり、数学の間違った問題を解きなおしたり、社会もこつこつ少しずつ覚える、そうやっていくといいと思います。

 最後は、勉強法についてです。

 勉強道具として、自分が高校時代役立ったのがボールペンでした。ボールペンはシャーペンみたいに折れることがなく、ずっとインクが出るし、1本のボールペンの終わったあとのうれしさが励みになって、ボールペンはいい勉強用具だったと思います。学校では使ってはいけないけれど、家の自主勉強では、ボールペンはおすすめです。

 また、ルーズリーフを中学では使いたくなると思うけれど、ルーズリーフでなくてやっぱりノートがいいと思います。ルーズリーフは、紙ばかり増えていって、結局最後は捨ててしまって書いたのがもったいないです。ノートはとっておけて、勉強した分だけ重なっていくので、励みになると思います。

 そして、暗記科目では、書いて書いて書きまくったほうがいいと思います。たくさん書いているとおのずと覚えてしまい、テストもできるようになります。書くのはつらいけれど、脳みそを動かして書いているのだから、印象が残るので、書いたほうがいいと思います。そして、わからない英単語や言葉は、電子辞書ではなく、苦労して辞書で調べたほうが覚えられます。

 自分は勉強が大好きです。みなさんの中には勉強はきらいだと思う人が多いと思うけれど、好きにならなければそんだと思います。なぜかというと、みんながきらいだと思っていることを自分だけが好きだと感じれば、気持ちでみんなには勝っていると思うからです。気持ちの部分だけでみんなに勝っていることは、すごく大きな意味があると思います。なぜかというと、なんでも気持ちで変わってしまうからです。

 最後に、自分の前に平たんの道といばらの道があるとしたら、いばらの道を選んだ方がいいと思います。そうすれば、自分をより大きく成長させることができるからです。

 では、小学校生活、がんばってください。

 高校生2名は、わたしたちに夢と感動を与え、今日、卒業準備のため高校へもどっていきました。