8 ロンドンの地下鉄・初体験

 ロンドンに着いて2日目の早朝、ロンドンの地下鉄に初めて乗ってみました。乗ったのは、リージェンツパーク駅からピカデリーサーカス駅の2区間です。

 まず、心配したのは、乗車券を買うことです。ロンドンの地下鉄の自動券売機は、コインしか使えません。コインをあまり持っていない人は、窓口で駅員から直接買わなければなりません。わたしは、勇気を出して「ア シングル トゥ ピカデリーサーカス、プリーズ。(ピカデリーサーカスまで片道切符一枚下さい。)」と駅員に言って、10ポンドの札を出しました。そして、なんとか通じて、乗車券をゲットしました。

 次の関門は、自動改札口です。日本とちがい、とびらの手前で乗車券が出て、その乗車券を取ると、とびらが開きます。なれないわたしは、とびらが開かないので大あわて。自分の近くに乗車券が出てきていたので、それを取りなんとか、通かできました。

 そして、最後に困ってしまったのが、ホームへ行く方法です。ロンドンは、クリスマス休暇の真っ最中。しかも、朝早いため、他の乗客はいません。どうもエレベーターに乗ってホームまで行くらしいので、その前でただボーっとして待っていました。でも、いつになってもエレベーターのとびらは開きません。少しすると、東洋系の男の人二人が、やってきました。言葉は中国語でも、韓国語でもなさそうです。たぶんモンゴル語かもしれません。その二人がわたしの前に来て、エレベーターのボタンを押しました。すると、エレベーターのとびらがすぐに開きました。わたしは、ボタンもおさずに、ただ突っ立っていただけだったのです。二人の男性に続いて、エレベーターに乗り込むと、彼らはわたしを見て、不思議そう顔をしていました。そして、ピカデリーサーカス方面のホームをさがして行くと、彼らがいました。また、不思議そうな顔をされてしまいました。

 なんとか3つの関門を通過して乗れた地下鉄。ロンドンの地下鉄は、箱型でなく、かまぼこ型の車両でした。つまり車両の真ん中は天井が高いのですが、両はじに行くにしたがって、天井が低くなっていくのです。背の高い人は、頭がぶつかりそう。きっと平日のラッシュアワーのときは、こんでいてたいへんでしょう。

 ピカデリーサーカスで降りて、再び困ったのがたくさんある出口です。目的地に行くのにどの出口に行ったらいいのか。まったくわからないので、一番近い出口から出ました。辺りはまだ真っ暗。自分が今どこにいるのかもわからず、結局人に聞いて、目的地のマイバスセンターに到着しました。

 見知らぬ土地では、本当に地下鉄に乗るのも一苦労です。この経験を通して、1・2年生で勉強する生活科の大切さが、身にしみて分りました。