10 世界遺産の町・バース

 今日は、ストンヘンジからバスで約1時間のところにあるバースという町のしょうかいです。

 バースは、英語のバス(bath)、つまりお風呂の言葉のもとになった町です。なぜこの町の名前がお風呂の意味のことばになったかというと、ここにはむかしから温泉がわいていたからです。

 今から約300年前、バースは温泉がわくということで、お金持ちの保養地として有名になりました。そして、町全体が同じよう作り方の建物でとう一されました。この建物の建て方を、ジョージという王様の名前をとり、ジョージアン様式と言ったそうです。町に建っている建物は、すべてベージュ系のバースストーンが使われていて、とても落ち着いてまちなみになっています。この町で特に有名な建物は、三日月の形をしたロイヤル・クレセントという集合住宅とイタリアのフィレンツェのベッキオ橋にならって作られた三つのアーチのあるバニティー・ブリッジです。

 でも、このバースの町には、もっと古い歴史があります。このジョージアン様式の町の6m下には、約2000年前に建てられた温泉のわく神殿がうまっていたのです。この神殿はイギリスのある島にローマ人がやってきたときの建物で、ローマ人が去る5世紀くらいまで使われていたそうです。そして、この神殿は今でも発くつが続けられ、神殿もふく元されて、当時の温泉のわいている場所も見られるようになっています。

 わたしは、この世界遺産の町を郵便局をさがして、走り回りました。それは、多分二度とくることはないバースという町からお世話になった方々に手紙を送りたかったからです。

 世界遺産のローマ浴場を見た後、地図を見ながらやっと郵便局をさがしあてました。郵便局員さんに日本までのはがきを送るための切手の料金をたずねると、42ペンス(約80円)だということがわかり、わたしは必要な分だけ切手を買いました。切手と一緒にロイヤルメイルというシールがついてきました。これは、『王室の国の郵便』というとても価値のありそうなシールです。でも、この『ロイヤルメイル』は、あまり信用されていません。それは、出した郵便物がなくなってしまうことが多いからだそうです。わたしが1月2日にバースの郵便局で出した手紙は、日本に帰っても届いていませんでした。もしかしたら、ロイヤルメイルだからしかたがないかと思って、あきらめていると、7日に初めて届いた人から知らせがありました。そして、最後の手紙が届いた人は10日でした。人によって届く日に差があるのがとてもふしぎでした。やはり『ロイヤルメイル』だからなのでしょうか。