幸せな日々


「今週の金曜日は、先生が出張で4時間目の途中からいなくなります。だから、今日からみんなだけで給食の準備をしたり、後片付けをしたりする練習をします。」
「先生、じゃあ、わたしたちで給食の用意をするから、先生は職員室へ行っていていいよ。」
 2003年7月7日、初めての自習を4日後に控えた教室での会話です。

「じゃあ先生は、職員室に行っているよ。35分になったら来てみるからみんなで協力して準備をするんだよ。」
 わたしは、職員室に行き、約束の時間まで待っていました。

 12時35分。わたしは時間通りに教室に向かい廊下を歩いていると、A君が向こうからすごくいい笑顔で迎えに来てくれました。教室に行ってみると、35分より前に用意ができ、みんな給食を食べていました。わたしが
「みんな、予定の時間よりはやくできたね。みんなで協力できてえらかったね。」
と言うと、子どもたちはうれしそうな笑顔を見せてくれました。

 給食が終わり、後片付けも子どもたちに任せました。後片付けは置き忘れのものもありましたが、注意するとすぐに片付けられました。
 「先生、そうじもぼくたちでやるから、見ていてね。」

 そうじの様子を見ていると、みんなで協力して、重たい教師用の机などあっという間に運んでしまいます。約十数分、教室はとてもきれいになりました。
 「そうじもすごい。」
と、わたしは心の中で感動して、昼休みになりました。

 そして、自習当日。何事もなく子どもたちの力で無事自習ができたそうです。

 7月の第2週目、わたしはこういう子どもたちの姿を見て、とても幸せな気持ちになっていました。日に日に衰える担任の脳みそに反比例して、子どもたちはとてもりっぱに成長していきました。これも、保護者のみなさんと2年までの担任の先生が子どもたちのやさしい心を育んでくれたおかげだと思います。この1学期間、3年2組の子どもたちの笑顔と成長振りを見られて本当に幸せでした。

 失敗の多いドジな担任にもかかわらず、かげながら支えていただいた保護者のみなさまには心より感謝しています。本当にありがとうございました。