不思議な一日


 朝起きて、新聞を取りに行き、県内の教職員の異動の記事を見ました。そこには確かにわたしの名前が載っていました。新聞に名前が載ったのはこれで4度目でした。

 午前中、今まで勤務していた学校に行って校長先生から辞令をもらいました。校長室は緊張感に包まれていましたが、校長先生の雑談がすごく楽しかったので、心が和みました。

 そして、職員室で職員のみなさんに転任のあいさつをしました。わたしの前のゆうこ先生がしんみりとした話をしたので、わたしは、明るく楽しかった思い出を話し、受けを狙いました。次のゆかり先生もしんみりとしていました。その後の若い女の先生も泣きながらあいさつをしていました。不覚にも、わたしも少しもらい泣きをしてしまいました。

 その後、職員全員でお別れの昼食をとりました。このとき、としひこ先生がわたしの先ほどのあいさつをしているところの写真をくれました。としひこ先生の心遣いがとてもうれしかったです。

 正午前になり、みんなに見送られながら学校を出ました。花のアーチと音楽の演出。全員のみなさんとの別れの握手。このとき初めて異動する寂しさが込み上げてきました。職員のみなさん、本当にありがとうございました。

 学校を出てから、12時半ごろまで時間をつぶして、新しい学校に向かいました。新任では2番に到着しました。校長室に入ると、感じのよい校長先生が迎えてくれました。事務の先生は以前同じ学校でお世話になった先生で、ホッとしました。そして、次から次へと新しい先生が到着しました。

 全員が到着すると職員室で着任のあいさつをしました。たくさんの知っている顔がありましたが、緊張のあまり頭の中も髪の毛も真っ白になりました。(髪の毛は前から真っ白ですが・・・・・・。若白髪です。)

 その後、職員会議で担当する学年が発表されました。わたしは、また3年の担任で特活主任になりました。でも、児童会は6年の先生が担当してくれるので、安心しました。

 わたしの隣に座っていた他郡市の中学から来た男の若い先生は、6年で体育主任でした。来たばかりなのに明日から修学旅行の下見にいかなくてはいけなかったり、体育が専門でないのに主任をしなくてはならなかったりして、とても気の毒でした。本人もとても不安そうでした。

 それから、新年度のいろいろなことが提案されましたが、新しい学校のことはなれないので、聞いていてもあまり頭に入りませんでした。

 職員会議が終わり、もう5時近くなっていました。でも決めなくてはならないので、学年会をしました。3年だけ担任は2人なので、すぐにいろいろなことが決まりました。

 午前中の前任校から午後の新任校へ突然切り替わり、今日はとても不思議な一日でした。

 ところが、新任校に少しずつ頭を切り替え始めていたわたしは、前任校に前代未聞の大きなミスを残して来てしまったのでした。