チルソクの夏


 今日、BS2で放送された映画『チルソクの夏』の紹介をします。

  『チルソクの夏』。一言でいうと、楽しい、懐かしい、悲しい、美しい映画でした。

・楽しい

 この映画に出てくる4人のかわいい女子高校生。彼女たちの会話や行動がユーモアにあふれていて、笑える場面がたくさんありました。

 そして、配役もおもしろかったです。ギターを抱え『流し』をしている主人公郁子の父に山本譲二、郁子の担任の先生にイルカでした。

・懐かしい

 この映画は、2003年7月7日に主人公の郁子が1977年7月7日から1978年7月7日までのできごとを思い出している設定です。この映画の時代背景は、高度成長が終わりを告げ、ピンクレディが人気絶頂を極め、伝説的なキャンディズの解散コンサートが開催され、カラオケブームが始まった時期です。

 だから、出てくる曲や映画がすごくなつかしかったです。『SOS』・『カルメン’77』・『あんたのバラード』・『横須賀ストーリー』・『津軽海峡冬景色』・映画『幸せの黄色いハンカチ』・主題歌は『なごり雪』。見ていて昔を思い出しました。

・悲しい

 主人公郁子が釜山の男子高校生安君と一年後の七夕までの間に文通を続けます。そして、二人の手紙を通じての交際に対する互いの親の反対。二人の間には、過去の戦争の悲しい歴史という壁が立ちはだかります。

 「伯父さんが日本人に殺されたから日本人とつきあってはいけない。」という安君の母親に対して、「朝鮮人とはつきあうな。」とだけしか言えない郁子の父親。過去の過ちに対してきちんと向き合っていない日本人の情けなさを感じました。

 そして、相手が自分たちのことを恨んでいることもその理由も知らず、わけもなく相手のことを嫌う日本人のおろかさが悲しかったです。

・美しい

 第一に、4人の女子高校生の友情が美しいです。彼女たちには、恋愛・成績・進路・陸上競技などいろいろな悩みが生じてきますが、それらを励ましあい、助け合う姿にとても感動しました。

 第二に、一年後の七夕までの間、互いに想う純愛が美しかったです。そして、その想いは25年後の七夕の日まで続くのです。ラストシーンは、下関の競技場の5番ゲート。とても感動的な終わり方でした。

 『チルソクの夏』は、すごくいい映画でした。

チルソクの夏 特別版 [DVD]

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