ジョンQ−最後の決断−

 映画の冒頭のシーンが最初は意味が分かりませんでしたが、後半になり結びつきました。

 デンゼル・ワシントンの子どものこと命を守ることを一心に思う父親役の迫真の演技がとてもよかったです。人質を取ったけれど、彼らのことは大切にし、ジョン自身が自殺して心臓を提供し、マイクのことを助けたいという気持ちに心が打たれました。

 ジョンが立てこもっているうちに、人質やメディアを通して情況を知った観衆がジョンの味方になっていき、敵対している相手が、アメリカ社会における医療・保険制度のように感じられました。

 最終的にマイクの命が助かってよかったです。貧しいものの命が助けられないのは、民主主義の国ではおかしいけれど、現実の問題なのだと思います。日本でも、多分同じような状況で、医療技術があっても命を救えないケースがあるかもしれません。この映画は、ストーリーに少し無理があるけれど、わたしたちの医療制度について考えさせられるとてもいい映画だと思いました。