ダンサー・イン・ザ・ダーク

 初めてビデオカメラを買って、自分で撮影した時、撮りたいものを追って、右に左にカメラを動かして撮っていました。あとで見てみると、とても見づらくて、見ていて疲れてしまいました。そのうちに、映画を見てカメラの撮り方を研究しました。1カットは長くて10秒ぐらいで、しっかりカメラを固定して、撮りたい場面だけを撮り、カットをつなげて行きました。すると、目の前で変化する映像を飽きずに見られました。

 この映画では、この二つのカメラワークをうまく使っていました。ほとんどの場面は、カメラを左右に振って、まるでホームビデオで撮ったかのように撮影し、ドキュメンタリー風にしていました。ビョークが演じるセルマが実在しているかのようでした。また、ミュージカルの場面では、カメラを固定して、1カットも短くして、映画のように仕上げていました。その変化がとてもよかったと思います。

 ビョークの演技もよく、ミュージカル部分以外は生活感が表れていて、ミュージカルの場面では、本来の歌手としてのいきいきとした姿が見られ、よかったと思います。

 ストーリーの前半は、希望に満ちていたけれど、後半は、お金が盗まれ、殺人事件に発展し、セルマがどうなっていくのかハラハラしながら見ていました。セルマの最期はとても悲惨でしたが、やはり最後まで戦って事件の真相を解明してもらいたかったです。あれほど、全力を尽くして生きてきたのにとても残念でした。

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

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