山の郵便配達

　心が洗われるようないい映画でした。家庭の崩壊を描いた『アメリカン・ビューティー』を見た後だったので、家族の絆を描いたこの映画を『チャイニーズ・ビューティ』と名づけたいと思います。なぜなら、この映画には不便な中国の山間地帯での生活の中での登場人物の心の温かさや美しさがとてもよく表現されているからです。

　この映画を見ていて、特に感動した場面がニつありました。一つは、郵便を配達しているうちに親子の心の交流が生まれ、息子が初めて父親を「お父さん」と呼んだところです。もう一つは、息子が油断している隙に風が吹いてきて、郵便物が風に飛ばされたとき、父と犬が全力で走ってその郵便物を取りに行った場面です。その時、長年郵便配達に携わってきた者の人から預かった大切な手紙を絶対になくしてはいけないという使命感を強く感じられました。

　郵便配達の仕事は、手紙の差出人と配達人と受取人との心を結んだり、人生を変えたりする素晴らしい仕事だということがとてもよくわかりました。便利な日本で暮らしているわたしたちも仕事に誇りと使命感を持って取り組まなくてはいけないですね。

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