たそがれ清兵衛
清兵衛は武士の家に生まれたけれど、その温厚な性格から武士という身分には合わなかったのかもしれません。貧しい生活の中にも、娘たちに対する愛情を注ぐことで幸せを感じながら、まじめに生活する姿に心を打たれました。
その清兵衛の生き方と同じ価値観を持っていたのが、朋江でした。朋江が清兵衛の家に来ただけで、家の中がすごく明るくなり、幸せな雰囲気が家中に漂いました。家柄にとらわれない朋江の姿を見ていてとても好感が持てました。
この映画の中には、2回の果し合いの場面がありましたが、普段は地味で目立たない清兵衛は、だれよりも剣術が強く、武士として本当の意味での力を持っていたのでした。「能ある鷹は爪を隠す」この言葉は、清兵衛のぴったりの言葉だと思いました。
娘が大人になって、清兵衛と朋江の墓参りをする場面では、映画にはなかったその後の一家の生活を想像することができ、心にジーンと来ました。
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