子ども

 先日、親しい大学の先生から素敵な詩を紹介されました。彼は、わたしの中学、高校の後輩で、海洋政策文化学を教えています。小学校の教育に対しても熱い想いを持っていて、総合的な学習で小学生にカヌーを体験させ、自然との共存の大切さを学んでもらおうとするプロジェクトチームに入っています。

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書

 彼は、2005年2月23日(水)、皇太子さまが45歳の誕生日を迎えられての会見で、愛娘愛子様の子育てについて語られたとき『最近非常に感銘を受けた」として朗読されたドロシー・ロー・ノルトの詩『子ども』という詩を紹介してくれました。

● 『子ども』  ドロシー・ロー・ノルト
批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
賞賛を受けた 子どもは 評価することを おぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じとることをおぼえる

 この詩はスウェーデンの中学2年生が社会とは何かを学ぶための『あなた自身の社会』という教科書に載っているそうです。子どもと接する職業についている者としては、たいへん参考になります。また、今、子育て真っ最中の保護者のみなさんやこれから親になる予定の方にもこの詩がお役に立てればと思います。

子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)

子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)

 そして、この詩の作者であるドロシー・ロー・ノルトさんが彼女の著書『子どもが育つ魔法の言葉 』の中で次のようなことも言っています。 感動的ですよね。

『子は親の鏡』
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる