旅立ち

「あっ、Tくんが来た。」
 2月22日(火)3時間目。みんなで校庭で長なわの練習をしていると、朝から体調が悪くて、遅れて登校すると連絡があったTさんが学校にやってきました。これで全員そろいました。クラス全員が顔をそろえたのは、2月9日以来のことでした。
 みんながそろったことで、長なわ練習の雰囲気もすごく明るくなり、今までになく調子がよくなりました。今までひっかかっていた子がひっかからなくなり、今まですぐに入れなかった子がすぐに入れるようになりました。数は数えなかったけれど、翌日の長なわ大会では、かなりのいい記録が出そうな感じです。
 久しぶりの練習でいい手ごたえを感じながら、翌日本番の長なわ大会を迎えました。ところが一夜明けての長なわは、みんな硬くなってしまって前日のリズミカルな跳び方は見られませんでした。今まで跳べていた子もひっかかり、勇気を出してなわに飛び込めていた子もこわがってしまいました。結果は108回。前回よりも1回増えただけに終わりました。子どもたちはこれまでとてもがんばってきたのですが、担任の指導力のなさと本番に弱い担任の性格が子どもたちにうつってしまい、子どもたちの力を引き出せないまま、長なわ大会は終わってしまいました。本当にごめんなさい。
 そして、気を取り直してその翌日に制作した『ぐにゃぐにゃだこ』。子どもたちは、思い思いに絵を描いて1時間で完成させました。大空にたこをとばせることを夢見ながらの図工の時間はすごく楽しかったです。ところが、ほとんどの子が校庭でたこあげを楽しんでいた4時間目。事態は急変しました。子どもたち同士のたこの糸が絡み合ったり、木に引っかかってしまったりして、楽しい時間は絡み合ったたこの糸のように心が乱れる時間になってしまいました。これも担任の不注意によるものです。
 木に引っかかってなかなか取れないたこと格闘しながら、わたしは、この1ヶ月のことをふりかえっていました。あんなにみんなで気をつけていたインフルエンザに担任自らかかってしまい、あんなに気合を入れて練習してきた長なわ大会で本来の力を発揮させてあげることができず、こんなに楽しいたこあげの時間を担任の言葉が足りずに子どもたちにがっかりさせるようなことになってしまい、2月はすべてが裏目に出てしまったなと。(実は、わたしのこれまでの人生はこんなことの連続だったのです。巻き込んでしまって、本当にみなさんごめんなさい。)そんな気持ちで、心が沈んでいく中、子どもたちの笑顔がいつも救ってくれました。
 そして、2月25日(金)の音楽集会。6年生をおくる会で全校合唱する『旅立ち』の2回目の練習をしました。その歌の歌詞が心に響きました。

かなしいときも うれしいときも
たびをつづけて行くかぎり ぼくらは若者
さあ出かけよう ぼくらは若者
なにもこわくない
さあ出かけよう 青春という名の
このたびじへ
くるしいときも たのしいときも
たびをつづけていくかぎり ぼくらは友だち
ラララララ・・・・・・・・・

 修了式までちょうど一ヶ月。あまりいいことがなかった2月だけど、残された時間を仲よく旅を続けて行きましょう。2年生への新たなる旅立ちに向かって。