Remember NAGANO 1998! 4

 それでは『Remember NAGANO 1998!』のお話はクライマックスです。


 そして、中学校の卒業生へのわたしのメッセージは決まりました。

Remember NAGANO1998!

 「長野オリンピックの感動をいつまでも忘れないで、夢を持って生きて下さい。」という気持ちを込めて、中学生の得意な英語の言葉を贈りました。きっと全員には、この気持ちは通じないと思うけれど、一人でもいいからこのメッセージが届くといいなと願いながら。

未来へ

未来へ

 そして、ビデオレターの最後に元担任一同の締めくくりの言葉を添えて、画像は完成しました。BGMは彼らが3年前「6年生を送る会」で歌った時のテープを探して、画像と合成してもらいました。曲目はKiroroの「未来へ」です。こうして、制作時間10時間足らずに渡る中3生への卒業祝いの贈り物は完成しました。イメージした以上のできで、みんなで思い出に浸りながら、パソコンの画面に見入っていました。「きっと喜んでくれるぞ。」と思いながら、わたしは、中学校の職員室に作品を届けました。
 中学校の「3年生を送る会」は、2月7日に行われたようでした。風の噂によると、2つの小学校のそれぞれの担任の贈り物はとても生徒たちに受け、中学校の体育館は盛り上がったそうです。わたしたちは、たいへんだったけれど、あの作品を作ってよかったと思いました。
 その1週間後、わたしの職員室に中学校3年の一部の生徒のお礼の手紙が届いていました。どれも、懐かしい名前ばかりです。みんな、ビデオレターに喜んでくれたらしく、読んでいてとてもうれしくなりました。小学校での思い出や高校入試に向かう決意の言葉なども添えてありました。
 わたしが担任したAさんは、注意されることが多かったのですが、「先生、わたしは中学になっていい子になりました。」と書いてくれました。
 6年の運動会での「み神楽」をいっしょに練習したBさんは「日曜日に校庭で練習したことが一番の思い出です。」とわたしの心に一番残っているできごとを書いてくれました。
 そして、5、6年で担任したC君は、いろいろな思い出について書いてくれましたが、その中に「長野五輪は一生忘れません。」と書かれていました。わたしは、「Remember NAGANO1998!」のメッセージが通じたと思って、胸が熱くなりました。そして、たくさんの手紙を読みながら、一生懸命伝えれば、いつまでも子どもたちの心に残るものなのだなあと、わたしは職員室で一人感動していました。
 その時、わたしは5年4組の担任でした。中学生の手紙を読んで、残された1ヶ月を子どもたちとともにさらに心に残るものにしていきたいと改めて決意しました。
ILE AIYE?WAになっておどろう

ILE AIYE?WAになっておどろう

 わたしの小学校の「6年生を送る会」は、その週の土曜日に行われました。長野オリンピックの閉会式で歌われ、中学校の卒業生が5年の時に「6年生を送る会」で歌って踊った「WAになっておどろう」が、そのときわたしが担任していた5年生によって4年ぶり、ソルトレークシティオリンピックの年にバージョンアップして復活しました。 (終わり)

 これで、わたしの『長野オリンピック』の思い出のエピソードは終わりです。
 1年1組での生活もあとわずか。長なわ大会、卒業生を送る会など、みんなで練習に燃えて、みなさんとの思い出もたくさん作りたいです。