山内君の感想文

 先日掲載した読書感想文の記事のサントリー奨励賞に輝いた山内敦生君(1年)の感想文全文が発表されていたので、ご紹介します。かなりの感動作です。ハンカチのご用意を。

 「しゅくだいは、だっこです。」とせんせいがいいました。
 「もぐは、おかあさんやおとうさんにだっこされて、とっても気もちよさそうです。」とひらりちゃんがいったあとにです。
 「ママは、ぼくをだっこできるだろうか。」ぼくは、すこししんぱいになってきました。
 せんせいが、ぼくにいいました。
 「あっくんは、ママにだっこしてもらうんでしょ。」
 「ママにだっこしてもらうと、ぼくのあたまは、よだれでべちょべちょになるよ。」とぼくがふざけていうと、せんせいは、「ママが一ばんすきなあっくんは、きっとママにだっこしてもらうとおもうよ。」といいました。ぼくもこころのなかで、「しゅくだいのだっこはママだけ。」とおもっていたので、「せんせい、ピンポーン、大あたり。」とさけんでいました。
 ぼくのママは、ぼくがうまれて八カ月のとき、ぼくとぼくのおにいちゃんをのせて、うんてんしていて、こうつうじこにあって、ママだけからだがうごかなくなったのです。
 このごろ、おばあちゃんにつかまってすこしあるけるようになってきたのです。ママは、ぼくたちのはなしをきくことはできますが、はなすことはできません。
 ママのうれしいことは、ぼくとおにいちゃんが、ほめられるときです。にこにこがおをします。かなしいときやおこったときは、ソファーをつめできずつけます。また、こうつうじこであたまもうったので、口からよだれをたらします。ぼくは、ママのよだれがきたないとおもったことはありません。
 ぼくは、ママにだっこされたことがなかったので、一回だけでいいからだっこしてほしかったのです。でも、一年生にもなってママにだっこしてなんて、はずかしかったのです。
 しゅくだいが、だっこでよかった。