遠い空の向こうに

 「少年の夢」「友情」「家族愛」を描いたこの映画は、実話です。わたしは3回見ましたが、見れば見るほど心の中から感動があふれ出てきます。

 アメリカンフットボールで才能を見出されなければ、炭鉱で働くのが当たり前というコールウッドで生まれた宿命。ロケットの実験を繰り返す中、何度も何度も立ちはだかる大きな壁。静かな物語展開の中で、ホーマーのロケットの打ち上げに対するふくらむ思いが、ひしひしと伝わってきます。

 そして、友情。嫌われ者のクエンティンの才能を見出し、仲間に加え、一つになっていく4人の心。彼らを信頼し、夢の実現に向けて陰で支えるミス・ライリーの存在が心強いです。そして、反対する父親に隠れて彼らの手助けする炭鉱の人々の温かさ。ホーマーと彼を支える人々との心のふれあいがとてもいいのです。

 家族愛。ホーマーの将来の夢をめぐって父との対立が激しくなる中、ホーマーの気持ちを理解する母の愛。事故で働けなくなった父の代わりに夢をあきらめて、炭鉱で働くホーマーのやさしい心。そして、最後に見せる父のホーマーに対する大きな愛。最後の打ち上げの場面では、一機に感動の波が押し寄せてきて、涙が止まりませんでした。

 わたしの特に気に入った場面は、炭坑の仕事にもどるように父に言われたとき、ホーマーが「炭鉱の仕事は、ぼくの人生ではない。」ときっぱり断ったところです。いろいろな困難を乗り越えても、自分の人生を自分で歩む大切さを教えてもらいました。

 この映画のキーワードは、「頑固でタフ」。映画に登場した父にもホーマーにも共通するものでした。わたしはこれからも頑固でタフで生きたいと思います。

 この映画の原題は『october sky』。心に残る本当にいい映画です。並べ替えると『rocket boys』になるそうです。なんかかっこいいですよね。ぜひ一度見てください。