人間になれない子どもたち 3

<”メディア漬け”から抜け出すために>
 アメリカ小児科医学会は、子どものメディア接触について、2歳までの赤ちゃんをテレビなどから遠ざけること。学童期の接触時間を平日1時間、休日2時間に制限すべきことなどの勧告を出している。つまり、子どもの生活の中で圧倒的な比重を占めている「メディア総接触時間」をどう規制するかが最大の課題なのである。
 ノーテレビチャレンジの試みノーテレビチャレンジとは、4週間にわたって、全くテレビを見ない週と一週間に二時間まで見て良い週とを交互に二回体験する試みである。参加した家族が、得たもの、それは「家族の発見」であった。テレビによって失われていた家族の会話が、復活して、生き生きした家族が生まれた。時間がゆったりと流れ、早寝早起きの規則正しい生活が、できるようになり、見たいテレビを選んでみるようになった。メディアを自分の力でオン・オフする力が養えたのである。メディアを一方的に敵視・排除するのではなく”子どもとメディアの良い関係”を築くためにメディアに振り回されず、メディアをコントロールできる力を子どもたちに育んでいかねばならない。
 そして、乳幼児とその親が、いつでも気軽に立ち寄れる子育てのたまり場、子育て拠点を作る必要がある。更に、エアコンのきいた自分の部屋やゲームセンターではない子どもの居場所作りも大きな課題である。

 詳細をお知りになりたい方は、清川先生の下記著書をお読み下さい。大変わかりやすく書かれています。
 『人間になれない子どもたち −現代子育ての落し穴−』(?(えい)出版)
「平成15年度しまね県民大学いま学 大人のための子ども学講座」講演会「現代子育ての落とし穴」より

 そう言えば、我が家の息子も、「友だちの中でテレビゲームを持っていないのはぼく一人。」といことでしかたなく買い与えた覚えがあります。それが、小学校4年生。それから、息子は、読書に興味がなくなり、勉強に対しても前向きでなくなりました。そして、今となっては手遅れの状態です。みなさんのお子さんはこれからです。我が家のようにならないよう、今から気をつけて子育てを行ってください。(終わり)