雨の日の秋の旅行と『おどるポンポコリン』№3

 学校を出発し、約1時間で動物園に着きました。やはり外は雨でした。駐車場には一台も車はありませんでした。到着して最初にしたのは、記念撮影。みんなそれぞれの雨合羽を着て、遊園地をバックにして並びました。子どもたちの雨合羽が色とりどりできれいでした。
 雨は一向にやむ気配はありませんでした。少し思い気分で動物園の中へみんなで並んで向かいました。動物園は誰一人いませんでした。動物園は、貸し切り状態でした。最初に、フンボルトペンギンのところに行くと、子どもたちから歓声があがりました。
「わあ。かわいい。」
その声を聞いたとたんわたしの心はパッと明るくなりました。そして、フンボルトペンギンを見ると、きちんと一列に並んでわたしたちを迎えてくれたのでした。その時の光景は色とりどりのフンボルトペンギンと色とりどりのペンギンが向かい合っているように見えました。

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 それから、いろいろな動物のところに行って見学をしました。キリン、シマウマ、ゾウ、ポニー、ライオン……。ほとんどの動物が、雨の中、わたしたちに顔を見せてくれました。その度に子どもたちは「あっ、ハリーポッターのふくろうがいる。」「見て。ニモがいる。」「イノシシ見たい。」と、楽しそうな声を上げます。そんな声を聞き、わたしもすごくうれしくなりました。雨は降り続いていましたが、子どもたちは、天候に関係なくこの一生に一度の旅行を楽しんでいました。わたしも、心は映画『雨に唄えば』のジーン・ケリーになったような気持ちで心を躍らせていました。♪I’m singing in the rain!〜♪子どもたちの明るさのおかげで、動物園の見学時間はずっと楽しくて、アッという間に終わりました。動物園は静けさを取りもどしました。
 そして、いよいよお待ちかねのお弁当の時間。バスに戻ろうとすると歩いていると、
「CAT先生。」
駐車場の方から歩いてきた女の人がわたしに声をかけました。(つづく)