身近に作る平和

 2001年9月11日アメリカで同時多発テロが起り、10月8日にはアメリカ軍によるアフガニスタン攻撃が始まりました。その前日、偶然、わたしは、市内の書店で開催されていた長倉洋海というカメラマンの『獅子の大地』という写真展を見ていました。それは、戦乱のアフガニスタンで力強く生きる人々の様子を撮ったものばかりでした。

 そして、一昨日、NHKの『課外授業・ようこそ先輩』という番組で母校の後輩にカメラマンの長倉洋海さんが授業をしていました。彼の写真がなつかしくて、その番組に見入ってしまいました。

 多くの紛争地を歩いてきた長倉洋海さんが、最初に見せた写真は、戦争で亡くなった人々の死体の写真。そして、次に見せたのは、同じ紛争地の人々の笑顔の写真です。戦争が起こっている国でも、人々の笑顔はわたしたちと同じだということがわかりました。

 そこで、長倉さんが子どもたちに出した課題は「笑顔の写真を撮ること」。撮影を通して、笑顔の力や笑顔の大切さを考えて欲しいと言います。釧路の町に飛び出した子どもたち。最初は、ぎこちなかった子どもたちも、「人の笑顔を撮るには、自分から笑顔で話しかける。」という長倉さんのアドバイスに次第にいい写真がとれるようになってきました。

 最後に、釧路の町で撮影された子どもたちの写真は、長倉さんの撮った世界の紛争地の人々の笑顔の写真と一緒になり、ひとつの大きな作品になりました。出来映えは見事。眺めていると自然と笑顔がこぼれてくるほど。そして、みんなで創り上げた大きな作品を見て、国に関係なく笑顔は人々の心を明るくすることがわかりました。

 この番組での長倉さんのメッセージは、戦争が続いている時代の中、大切なのは、身近な平和を作ることだそうです。そのために必要なのは笑顔。周りの人に笑顔を贈ることだそうです。わたしたちの周りから実行していきましょう。