生きている感動とありきたりな朝の風景

 いよいよ今週は、校庭で練習が始まります。そして、リレーの選手も決まり、60m走、おいかけ玉入れ練習も入ってくるので、さらに忙しくなると思います。たいへんな1週間になりますが、体調を整えながらがんばりましょう。

 さて、今日は、おうちに向けての記事です。先週の2日間、NHKスペシャルで「子どもが見えない」とい番組が放送されました。今子どもによる衝撃的な犯罪が相次いで起きています。そして、大人の間には、「子どもの姿が見えない」「子どもの心が分からない」といった不安感が広がっています。一体子どもたちは、どんな世界に生き、何を考えているのか。この番組では、その現状を探り、大人は子どもにどのように向き合っていけばよいのかを考えるために作られました。

 その中で一つ衝撃を受けたことがありました。高学年の多くの子どもたちが「事故で死んだり、殺人事件で殺されたりした人は、『生き返りたい』という強い気持ちがあれば生き返れる。」と本気で信じていることでした。こういう感覚は、多分ゲームから来ているのかもしれません。この問題に対して、出演者の大人の中には、「死や人間の命について子どもたちによく考えさせるべきだ。」という人もいましたが、「生きることを教えるべきで、生きている感動を実感させたほうがいい。」という意見も出されました。毎日の中で、泥だらけになって遊んだり、汗びっしょりになって運動したりする。運動会練習真只中。一つの目標に向かってみんなで力を合わせてがんばるこの時期、子どもたちに『生きる感動』を与えられるチャンスなのだと思います。ぜひ応援してあげてください。そして、「一人にたった一つに命、失ったら二度ともどらない」ことも伝えていきたいと思います。

 最後にもう一つ。番組の中では、学校で屈辱的ないじめにあい、いじめた相手を本気で殺そうと思って朝を迎えた高校生が紹介されました。その子が殺すのをやめた理由。朝のお母さんがご飯を作り、子どもに声をかける風景。こんなありきたりな生活がなくなってしまうのはいやだと思って、殺すのをやめたそうです。毎日の生活のそんな些細なことに子どもたちは幸せを感じているのだと思います。だから、おうちの人の心のこもった朝食を食べさせ、「顔を洗った?」など声をかけ、温かい気持ちで学校へ送り出してください。子どもたちは穏やかな気持ちで生活できると思います。