9.11

 一昨日は、9.11アメリ同時多発テロから3年。テロで銀行員の夫を失った杉山晴美さんの手記『天に昇った命、地に舞い降りた命』を基にして作られたドラマ『9.11』を見ました。

 あの日、いつものように出勤する夫を見送った晴美さんは、テレビ画面で想像を絶する事件を知ります。夫陽一さんの働くワールド・トレード・センター北棟の一角に、飛行機が突っこみ矢のように突き刺さって炎上しているのです。混乱する晴美さん。
「富士銀行は南側のビルだから、陽一さんは無事だわ。」
と次の瞬間、キャスターの絶叫する声が響きます。
「南棟にも、新たな飛行機が突入しました!!」

 しかし、安否を気づかう友人や知人、仕事関係者の電話がひっきりなしにかかってくる中、陽一さんからの電話はありませんでした。

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次々に起こる異様な事態にうろたえながら、電話の応対に追われる晴美さん。そのとき、富士銀行の入っている南棟が崩壊しました。絶叫しながらくずれる晴美さん。母親につられ大泣きしている次男力斗君。長男太一君は声も出ず固まってしまいました。

 その後、夫の遺体が発見されない日々が続く中、晴美さんは3人目の男の子『想弥』君を出産しました。

 このドラマ。きっとテロで家族を失った悲しみや苦しみを伝えるために作られたのだと思って見ていました。しかし、そうではありませんでした。そこには、夫陽一さんを探しながら、次第に強くなっていく晴美さんがいました。

「人間、乗り越えられない苦しみはありません。」
陽一さんの右手の親指の骨が見つかった後の告別式のあいさつの中で言った晴美さんの言葉です。子どもを幸せに育てて笑顔を取り戻すことがテロへの回答になるという晴美さんのメッセージに、わたしの右目から一粒の涙がこぼれました。

 同時多発テロから1年。そこには、3人のお子さんと楽しそうにアイスクリームを食べる晴美さんの姿がありました。陽一さんが生きていた頃ニューヨークで家族そろってアイスクリームを食べた時のように。

 『9.11』。わたしに生きる勇気を与えてくれたドラマでした。 

 では、残された人に 何が出来るのか。
今・・何ができるか。
今・・何をすべきか。

 考えるとすごくむずかしいですね。昨日、NHKのある番組を見ました。大切なのは、身近な平和を作ることだそうです。そのために必要なのは笑顔。周りの人に笑顔を贈ることだそうです。実行していこうと思います。

天に昇った命、地に舞い降りた命―「9・11テロ」で逝った夫へ、残された子供達へ

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