アテネの夏・ぼくらの夏⑥

 昨日は、蒸し暑い中、体育館でダンスを2時間がんばって練習しました。3時間目には、団別に分かれて並ぶ練習や行進の練習をしました。そして、今朝は初めての運動会の開会式練習。ということで、今日はオリンピックの開会式の旗手も務めた浜口京子選手です。

「気合だぁっ」と叫ぶ父は元プロレスラー。アニマル浜口の娘としてなにかと注目を浴びることの多かった浜口京子選手。今回初めて、アテネ五輪に挑みました。注目の初戦の相手はトッカラ・モンゴメリアメリカ)。「事実上の決勝戦」と言われていましたが、見事判定勝ち。予選2戦目もテクニカルフォール勝ちで準決勝進出。

 翌日の準決勝の対戦相手は18歳の王旭(中国)。この試合に落とし穴が待っていました。3-3で迎えた後半。浜口の防御に対する警告で王に1点が入ったものの、得点を表示する電光掲示板は逆に4-3で浜口リードを示ししました。これがようやく修正され、王の優勢を示したのは、試合終了直前。そして、そのままブザー。5-5の延長戦と思いこんでいた浜口は、6-4で王の勝利という結果に頭をかかえました。審判団に詰め寄り、マットに居座ります。怒りが収まらない元プロレスラーの父「アニマル浜口」こと平吾さんも、制止する係員に羽交い締めにされながら叫び、抗議し続けました。しかし、結果が覆ることはありませんでした。

 金メダルの夢が消えた浜口選手でしたが、気持ちを切り換えてマットに上がった3位決定戦。ウクライナのスベトラーナ・サエンコ選手に、4-0の判定で完勝。目指した金メダルではなかったものの、価値ある銅メダル。試合後、浜口選手はマットのセンターサークルにキスをしました。まぶたが腫れ上がりほとんど見えなくなっている右目が、激闘のあとを物語っていました。

「もっときれいな、輝いたメダルがほしかったんですが、私の人生の中で金メダル以上の経験をさせてもらえました。」泣き言は一切言わず笑顔で答えるそのさわやかさに、多くの人が感動しました。結果も大切だけれど、そこまでの道のりももっと大切なんだと思います。