アテネの夏・ぼくらの夏⑤

 昨日からいよいよ運動会練習が始まりました。ダンスは、『ふるさとまつり』。一時間目に最初の部分をみんな一生懸命練習していました。もうすぐかけっこの練習も始まり、学校は運動会ムード一色になります。ということで、今日は女子マラソン野口みずき選手のお話です。

 2004年8月22日(日)。注目の女子マラソンがスタートの時を迎えました。野口みずき坂本直子土佐礼子の日本人3選手の前に立ちはだかるのは、ポーラ・ラドクリフ(イギリス)、キャサリン・ヌデレバケニア)などの実力のある選手たち。なかでもラドクリフ選手は2時間15分25秒という世界最高記録を持っている選手。マラソン発祥の聖地アテネのコースは、五輪史上最も過酷で難しいとも言われ、しゃく熱の気候も加わり、大混戦が予想されました。

 レースは、予想通りラドクリフ選手が先頭で集団をリード。大きく動いたのは25km過ぎ。ペースを上げた野口選手に対し、ラドクリフヌデレバ両選手は遅れてしまいます。28km手前、さらに野口がスパート。「25キロ過ぎからラストスパートをしろと言われていました。」ロングスパート。32km過ぎからゴールまで続く下り坂を苦手とする野口選手に、藤田監督が与えた作戦でした。36km過ぎにはラドクリフ選手が棄権。独走態勢だった野口選手でしたが、終盤疲れを見せます。そして、2位争いから抜け出したヌデレバ選手が猛追します。しかし、先頭のまま競技場に入った野口選手を大歓声が包みこみました。手を振ってこたえる野口選手。ヌデレバ選手から12秒差で、ゴールし、2時間26分20秒のタイムでみごと金メダルの栄光を勝ちとりました。

「もう…幸せです。がんばってきてよかったです」
野口選手は涙ながらにそう話しました。暮れかかったアテネの空の下、夢にまでみた大歓声と金メダルは、高橋尚子選手から野口みずき選手へと引き継がれました。

 みなさんも、運動会が終わった後、野口選手のように「がんばってきてよかった」と思えるように、練習を一生懸命がんばりましょう。