3 両替する


 ヨーロッパの国々の国境を越えて、違う国に来たのだなあと実感するのは、お金が変わることです。そして、国によって日本の円とのレートがみんなちがっているのです。オーストリアではシリング(1シリング=約8.3円)、ハンガリーではフォリント(1フォリント=約0.42円)、チェコではコルナ(1コルナ=約3.2円)というお金を使います。そして、入国するとき、その国境のところの両替所で日本の円をその国のお金に換えなくてはなりません。買い物をするときも、それぞれの国でこの値段を日本円に直すといくらになるかなどをいちいち計算をしながら買わないと高いのか安いのかわかりません。

問題2
 それぞれの国から、絵はがきを日本に送るのに切手を買いました。日本円に直すと、それぞれいくらになるでしょう。

オーストリア 13シリング
(1シリング=約8.3円 2000年1月3日現在)
ハンガリー 110フォリント
(1フォリント=約0.42円 2000年1月5日現在)
チェコ     9コルナ
(1コルナ=約3.2円 2000年1月7日現在)

 答えは、オーストリアでは107.9円(8.3×13)、ハンガリーでは46.2円(0.42×110)、チェコでは28.8円(3.2×9)です。だから、チェコから絵はがきを送ると一番安く送れるのです。

問題3
 それぞれの国から、日本へ電話を1分間かけると、いくらになるでしょう。

オーストリア 28シリング
ハンガリー 180フォリント
チェコ     83コルナ

 答えは、オーストリアからは233.4円(8.3×28)、ハンガリーからは75.6円(0.42×180)、チェコからは265.6円(3.2×83)です。今度は、ハンガリーから電話をかけるのが一番安くなります。おもしろいですね。

 とにかく国が変わると、買い物の時に頭を切り替えて計算しなければならないのが、とてもたいへんです。また、ハンガリーフォリントチェコのコルナは、それぞれの国を離れてしまうと使えなくなってしまったり、日本円に両替できなくなってしまったりするので、全部使い切るか、出国する時に両替するかしなくてはならないのが、とても不便でした。

 早くヨーロッパの共通の通貨ユーロが使えるようになって、国境を越えるのと同じくらい自由に買い物ができるといいなと思いました。

(「ハンガリッシュ・スタイル・スパゲティ」につづく)