アメリカン・ビューティー

 この映画を見て、いろいろなことを考えさせられてしまいました。人間、開き直ったら、なんでもでき、後戻りできなくなってしまうのだなあと思ったり、誰もが心に弱みや醜い部分を持ち、それを隠しながら生きているのだなと思ったり・・・・・・。

 タイトルの"アメリカン・ビューティー"とは、妻が庭で栽培する米国産の赤いバラの品種名だそうです。レスターは、その深紅のバラに埋もれて、美少女を抱くことを夢見、妻のキャロリンは、素敵な家に住み、素晴しい仕事をすることが人生の成功だと信じています。そして、ジェーンは、風に舞うビニール袋に隣りの青年と共通の美学を見出していきます。それぞれの"ビューティー"が、それぞれの登場人物の運命を狂わせていきます。

 一見幸せそうに見える家庭ですが、もしそれぞれが家族の心の絆の中に"ビューティー"を見出していたら、あのような悲しい結末にはならなかったのだと思います。

 最後の終わり方、想像力を膨らませられるようでよかったです。