「しぬ」って、「いのち」って

 4月25日午前9時18分、兵庫県で電車の脱線事故が起きました。平日朝の快速電車には、サラリーマンや学生など、約580人が乗っていました。兵庫県警は亡くなった人を107人と発表しました。そのうちの何人かの人のことを紹介します。

 25才女性のSさんは、アルバイト。初めての海外旅行で、関西国際空港に向かう途中でした。母を亡くし、父や弟の母親代わりだったそうです。

 17才女性のKさんは、高校生。遠足でUSJに向かう途中でした。水泳部に所属し、主将を務めていたそうです。

 21才男性のFさんは、大学生。就職活動で会社のセミナーに行く途中でした。宇宙工学に興味があり、エンジニアが夢だったそうです。

 36才女性のOさんは、書道の先生で、自宅で子どもたちに書道を教えていました。この春小学生になった長男の成長を楽しみにしていたそうです。

 45才男性のHさんは、会社員で出勤途中でした。4月29日から奥さんと九州一周旅行に行くのを楽しみにしていたそうです。

 19才女性のOさんは、今春入学したばかりの大学生でした。栄養士を目指していたそうです。明るく積極的な性格だったそうです。

 世界で最も安全と言われていた鉄道の惨事で、乗客の命と夢と希望が一瞬にしてうばわれました。

 何年生かわからないけれど、校内に「みんなしね」と落書きしてしまった人へ。
「しぬ」って、その人のいのちがなくなり、自分のやりたいと思っていたことは何もできなくなってしまうのです。そして、なくなった人だけでなく、その人の家族や親せきや友だちや仲間もかなしませ、まわりの人を不幸にしてしまうのです。だから、軽々しく、そんな言葉を落書きしたり、口にしたりしないで下さい。生きていれば、つらいこともあるけれど、楽しいことやうれしいことがたくさんあるのです。だから、事故で亡くなってしまった人々の分までいっしょうけんめいがんばりましょうね。

 事故で亡くなられた方々のご冥福を祈ります。