すばらしい先輩たち

 2004年9月16日午後12時50分の校庭の運動会の入場門。1年生は、早めに給食を食べ終えて、「追いかけ玉いれ」の練習のため集まりました。そこには、6年生の男子3人も立っていました。彼らは、運動会の本番でかごを背負って逃げてくれる子たちで、わざわざ1年生の練習に参加するために、時間を作って、来てくれたのです。

 練習は始まり、彼らは各団の円の中を走り、1年生は楽しそうにかごを追いかけて、玉を入れます。1年生がゴチャゴチャ走り回る中、彼らは1年生にぶつからないよう、たおさないよう、ふみつけないよう、気をつかいながら、走り回ります。こうして、6年生のお兄さんたちのおかげで、無事「追いかけ玉いれ」の練習が終わりました。

 そして、1年生は、6年生の背負っていたかごに持っていた玉を入れ、解散になりました。でも、6年生のお兄さんは、その後もいやがることもなく、玉のたくさん入ったかごを校舎の中まで運んでくれました。ここまで運んできてもらってありがたいと思ったわたしは、その後のかごから袋に玉を入れる仕事は自分でやろうと思って
「ありがとう。助かりました。」
と言って、玉を袋につめ始めました。すると、彼らの一人が、
「おい、やろうぜ。」
と言って、再び仕事を始めました。そして、とうとう最後まで3人で仕事をやってくれました。その姿を見て、わたしは、とてもうれしく思い、幸せな気持ちになりました。本当にたよりになるすばらしい6年生が来てくれました。

 わたしは、放課後の陸上記録会へ向けての100m走の練習にも参加させてもらっています。その時にも感じるのですが、そこに参加している5・6年生は、進んでならび、よく話を聞き、一所懸命練習に取り組んでいます。彼らのがんばる姿を見ると、とてもすがすがしい気持ちになれます。

 こんなすばらしい先輩たちが引っぱっていってくれるA小学校。盛大に運動会ができるのも、5・6年生が学校のためにいろいろな仕事をしてくれているおかげです。運動会、5・6年生のお兄さんやお姉さんに感謝しながら、がんばりましょう。そして、みなさんも将来は、役に立つ先輩になって下さい。あの3人の6年生のように……。