魅惑の国・モロッコ

 お元気ですか。
 私は無事初モロッコから帰ってきました。添乗員にならなかったら、一生興味を持たない国だったと思います。添乗員になってよかった!モロッコ楽しかったです!!
 
 では一体なにがおもしろいのか?!

 まず一つは風景です。一つの国に、海岸リゾート、スキー場、サハラ砂漠、オアシス・・・何でもあります。街も1000年以上の歴史を持つ街の城壁をはさんだ隣がフランス保護領時代のモダンな新市街。都市部ではヨーロッパと同じ服装の方が多いのですが、アトラス山脈を越えると全身を真っ黒いベールで覆った方が多くなります。一つの国でこれだけ多彩な光景は私には初体験で、仕事だというのに毎日飽きることなく楽しみました。

 イスラムを国教とする国は今回が二回目です。前回エジプトにいったのですが、とても不愉快な思い出があります。それはガイドによるセクハラ。結局エジプト人の女性に手を出したり出来ないので、後腐れのない外国人にしつこく言い寄ってくるのです。モロッコもそんな感じかカナと思っていたら、セクハラはそれほどではありませんでした。モロッコイスラムと言ってもかなりヨーロピアンナイズされていて、結婚前に男女が付き合うのも都市部ではオープンだそうです。田舎ではそんな暇なく、若くして結婚してしまうそうですが。モロッコの中央にアトラス山脈が走っていて、そこを超えると風景も生活もまるっきり変わってしまうそうです。南部モロッコでは、
「君の年齢だともう孫がいるよ。」
とガイドに言われてしまいました。悔しい・・・。

 イスラムは基本的に「打つ、買う、飲む」が禁止です。が。ホテルには売春婦がいましたし、
お酒も飲んでいました。モロッコはワインもおいしいし、ビール工場もあります。ただし、外で飲むときは泥酔するまでは飲まないそうです。田舎のレストランではアルコール類を置いていないところがあります。でも観光国だけあって、そういう場所ではアルコールの持ち込みが可能です。街中ではお酒飲むところはあると思いますがよく分かりませんでした。その代わり、どこに行ってもカフェがあります。しかしカフェには男性しかいません。見ていて怖いくらいおじさんばかり。いくらヨーロピアンナイズされているといっても、モロッコ人女性がカフェに入ることはほとんど無いそうです。カフェでおじさんたちが飲んでいるのが、「モロッコウィスキー」と呼ばれるミントティー。民家やベルベル人(先住民)のテントにお邪魔しても出してくれます。モロッコ周辺諸国チュニジアとかアルジェリア)で国民飲料ともいうべきもの。最初は歯磨き粉を甘くしたような変な味と思っていました。でも慣れるととてもおいしく感じられます。ポットに中国の緑茶と砂糖、大量のミントの葉を入れ、熱湯を注いで火に3分くらいかけます。その後、お盆に並べた耐熱ガラスのコップに、上から泡を立てるように注いでいきます。量はコップの半分くらいまで。ポットにミントの葉を入れず、コップに入れて砂糖入りのお茶を注ぐこともあります。甘いお茶だとのどがよけい乾きそう・・・と思ったのですが、意外にすっきりしたお味です。お砂糖なしより、甘くしたほうがだんぜんにおいしかったです。少ないお水でのどの渇きを潤すのはこの飲み方が一番いいそうです。

 モスリムには五つの宗教義務があります。礼拝・断食・巡礼・喜捨信仰告白。ガイドに、
「あなたは一日五回のお祈りをちゃんとやっているの?」
と質問したところ、
「年に一度、モスクに行くだけ。お祈りはそのときする。」
という返事が返って来ました。モスリム(イスラム教徒)でもいろいろなのですね。

 しかし、お祈りもほとんどしないガイド氏でも必ず実行するのが断食。イスラム暦断食月というのがあり、毎年少しずつずれていきます。今年は10月26日から始まり一ヶ月間です。日中は飲食できず、タバコもダメ。日没と共に食事が取れるので人々は一斉にレストランに繰り出すそうです。この時期は人々のストレスが大きいため、交通事故が増えるそうです。食費もかなりかさむとか。昼間食べれない分ストレスがたまり、夜に一気に食べてしまうからだそうです。老人や病人、妊婦と子供以外は実行するそうです。交通事故が多くなるためたいていの旅行会社ではラマダンの時期を避けてツアーを組みます。異教徒はラマダンは関係ないのですが、特に昼食時、ボーイがそれはそれは恨めしそうに食事している様子を見ているとか。そんな視線の中、とてもじゃないけどゴハンなんか食べれないですよね。

 ところでモスリムは奥さんを4人まで持つことが出来ます。戦争未亡人や孤児の救済が本来の目的だったそうです。実際は複数の奥さんも持つ男性はほとんどいないそうです。全ての奥さんに同じように接しなくてはならず、一人だけに物を買ってあげることもダメだとか。とにかくお金がかかるのでよほどお金持ち出ないと無理だそうです。「ハーレム」というのは、「奥さんの部屋」という意味だそうです。田舎のテントにいったとき、ガイドが
「これがハーレムだよ。」
と教えててくれました。テントが張ってあって、真中に荷物が置いてあって内部が二つに分かれています。片方は入り口があって、男性が私たちのためにミントティーを入れてくれました。もう片方は出入り口は布で隠されていて、内部に奥さんや赤ちゃんがいました。モロッコでは男性がお客様の接待をするそうです。モスリムは自分の奥さんを人目にさらすのを嫌いますから他のイスラム教国でも同じかも知れません。それにしても、あれがハーレム・・・
ちょっとがっかりしました・・・。
 
では、またメールします。