17歳、親からの自立宣言

MrCAT2008-05-18


 NHKの『課外授業・ようこそ先輩』を見ました。今回は、『おかあさんといっしょ』の体操のお兄さんを12年間務めた佐藤弘道さんが、母校日体荏原高校でパフォーマンスで「親からの自立宣言」を表現するという授業を行いました。『おかあさんといっしょ』に初めて出演した頃、テレビを見ていた子どもたちがちょうど高校生3年生になっているそうです。

 まず、佐藤弘道さんは、生徒一人一人に、それぞれの親に書いてもらった手紙を朗読します。日ごろから親に反発し、口も聞かないような子どもたちが、愛情のこもった手紙を読み、みな感激し、素直に親の思いを受け止めます。その中で、お母さんを病気で亡くした毎日の家事を自分でやっている女子生徒は、手紙でお父さんの気持ちを初めて聞き、涙を流します。その後、グループごとのパフォーマンスの練習。みんな、自然と力が入ります。

 発表当日。それぞれの保護者と全校生徒が見守る中、「親からの自立宣言」のパフォーマンスがグループごとに行われました。全員の力いっぱいの心のこもった発表。そして、生徒一人一人の親へのメッセージ。短い言葉の中にもお父さんやお母さんへの感謝の気持ちがあふれていました。

 発表後、目標を失って「キャバ嬢になりたい」と言っていた女子高生や大人に反発して「親なんか大嫌い」と言っていた生徒たちは、親の温かい愛情を感じながら、それぞれの目標に向かって力強く歩み始めます。それを見て、涙で言葉にならない弘道おにいさん。生徒たちに胴上げをされ、番組は終了しました。

 この番組を見て、改めて佐藤弘道さんのことを本当にいい人だなと思いました。佐藤弘道さんの小学生の時の夢は、体操のオリンピック選手だったそうです。高校時代には宙返りの練習で頚椎を損傷してしまい、オリンピックへの夢を断念したそうです。そんな時に常に支えてくれたご両親への想いは深く、彼は『おかあさんといっしょ』から引退した後も、常に「親子」のテーマに取り組んで、様々な仕事をやってきたそうです。

 今回の番組でも、親の気持ちと子どもの気持ちを理解している弘道おにいさんが、未来に向かって巣立とうとする高校生と親との心の架け橋を作り、子どもたちの親から「自立」する第一歩を踏み出す手助けをすることができて、本当によかったと思います。